ブックハウス一周年、そしてこれから

こんにちは。ブックハウスひびうた管理者の村田です。

 

ご挨拶が遅くなりましたが、本屋・ブックハウスひびうたは、今年の4月23日に無事一周年を迎えることができました。

右も左もわからない状態から一年間営業を続けることができたのは、支えてくださったお客様、取引先出版社のみなさま、あたたかく応援してくださった著者や本屋の皆様、何かと至らぬ私を懲りずにサポートしてくれたひびうたの仲間、みなさまのおかげです。

この場を借りて、心より感謝申し上げます。

 

一年前、緊張で足を震わせながら、出版社のみなさま、リトルプレスの発行者のみなさまを訪問した日々を思い出します。お忙しい中、本の流通に関してほとんど無知な、ただの本好きの素人だった私が押しかけていったにも関わらず、惜しみなく本づくりにかける思いを聞かせていただいたことが、今のブックハウスひびうたと、本屋としての私をつくっています。

みなさまにお会いすることで、本を届けることに対する覚悟と使命感が自分の中に育っていったのだと思います。

 

また、土日は休み、開店時の在庫は200冊程度と、「コイツ本屋をナメてるんじゃないか?!」というような営業形態にも関わらず足を運んでいただき、ご自分の一冊に出会っていただいたお客様には、感謝の念が堪えません。お客様の一言一言、本を見つけていただいたときお一人お一人の笑顔が、ブックハウスの本棚を少しずつ育ててくださいました。みなさまの喜ぶ顔を思い浮かべて毎日本を並べることで、ただの本好きが、本屋になるべく成長し続けてこられたのだと思います。

 

開店一周年の記念に、今年の4月23日には、夏葉社代表の島田潤一郎さんにひびうたにお越しいただき、「弱さから生まれるもの」というテーマでお話をしていただきました。

夏葉社の本社をお訪ねし、初めて島田さんにお会いした時におっしゃっていた、「本もサッカーも、弱い者のためにあるんです」ということばが、いつまでも心の中に残っていたからです。

島田さんのお話を振り返る中で、ブックハウスひびうたは、自分の「弱さから生まれるもの」だったのではないかと思いました。

どこにいっても仲間外れにされる情けない自分、他人に対して競争心や嫉妬心が抑えられない醜い自分、見栄っ張りでやせ我慢で、それでも何か自分の生きる道を探しあがいていた自分が、本を読むということにしがみついてなんとか生きてきた一つの軌跡が、ブックハウスという本屋になっているのではないかと思います。

本屋の根底に私の弱さがあるからこそ、他の人の弱さを内包し許容できる場所にしていければいい、これからのブックハウスを考えるときに、「弱さ」という言葉は、一つ核になるものだという気がします。

 

島田さんの他にも、この一年は津市久居という普通の郊外の町に、遠方から多くの方がわざわざ足を運んでくださり、ひびうたの仲間と共に時間を過ごしていただきました。

古本の仕入れにもご協力くださり、お店を訪れるたびにあたたかい笑顔と励ましをくださる古書善行堂の山本善行さん、三重を離れても、いつも大切な著作をブックハウスに送ってくれて、イベントの時は下宿先からかけつけてくれた大阿久佳乃さん、そして魅力的な展示会を何度も開催させていただき、ひびうたにも二度お越しいただいたばかりか、毎月オンライン読書会を開いてひびうたの仲間と交流してくださっているサウダージ・ブックスのアサノタカオさんには、厚くお礼を申し上げます。

また、生まれたてのひよこ状態の本屋にも関わらず、各媒体で取り上げてくださったメディアのみなさん、雑誌「ちゃぶ台9号」にインタビューを掲載してくださったミシマ社さん、ありがとうございます。

 

さらに、ブックハウスではたらいてくれている就労継続支援事業B型の利用者さん二名も、この一年本屋を共に支えてくれた大切な存在です。二人ともそれぞれが、自分の特技を生かしてかけがえのない仕事をしてくれています。

ブックハウスが開店する前から、自ら志願して働きたいと言ってくれたTさんは、一緒に物置だった二階の掃除をするところから仕事が始まりました。開店してからは、得意な絵の才能を生かして、店内を彩るPOPをつくってくれています。

昨年の9月から一緒に働いてくれているYさんは、好きなパソコンを操り、ブックハウスのONLINEショップに商品を登録してくれています。古本のスリップも、彼女がつくってくれています。

 

このようにたくさんの方々に支えられて、ブックハウスひびうたは一年間営業してくることができました。

二年目からは、さらに関わってくださる方とともに本屋をつくっていきたいとの思いから、新しい企画を始めます。

その名も、「カブ主制度」。

野菜のカブをゆっくり大きく育てるように、本屋を一緒に育ててくださる仲間を募集しています。カブ主の方からいただいた支援を、本屋の充実に役立てていきます。さらに、ブックハウスからはささやかながらカブ主さんに下記のサービスをお贈りします。

カブ主特典:一口 オリジナルブックカバー&しおりプレゼント

      三口 お誕生日にブックハウスセレクトの書籍一冊をプレゼント

      五口 ブックハウスひびうたの本棚一棚利用権プレゼント

     店内でプチ本屋さんを開いていただけます。(先着三名様)      

 

カブの購入:一口1000円です。カブ券の有効期限は一年間です。

      申込期限は5月31日までです。

 

さらにカブ主の方を毎年一回「カブ主総会」にご招待し、カブ主さんが本屋に対して抱く思いをいろいろと聞かせていただきたいと思っております。

初年度のカブ主総会は、5月28日㈯の15時から開催いたします。

 

既にたくさんの方からカブ主になりたい!というお声をいただいております。みなさまの本屋へのあたたかい思いを感じ、感謝の念に堪えません。

みなさまからの思いに応えられるよう、少しずつ、本屋を育てていきたいと思います。

 

ここにある本はすべて誰かの心の居場所であるのだということを忘れずに、本を届けていきたいと思っております。

これからも、ブックハウスひびうたをよろしくお願いいたします。

 

ブックハウスひびうた 管理者 村田奈穂

 

 

 

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コメント: 1
  • #1

    wada yoko (水曜日, 23 11月 2022 14:42)

    誰もが持つ「弱さ」をまず自覚するところから、互いをサポートできるようになれるって,,,,私も感じています�